使い方やお手入れが難しそうでハードルが高い…
そんな理由から、万年筆に憧れはあるけれど使ったことがないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、万年筆の基本的な使い方は、きっと自分が思っているほど難しくないはず。
気持ちの良い繊細な書き心地や、好みのインクが使える点など、万年筆には魅力がいっぱい。
今回は、万年筆初心者向け基本的な使い方・お手入れの方法を解説していきます。
万年筆はいつ使うのか
手帳や日記などの日常使い
万年筆は、手帳や日記、メモ書きなどの日常使いにおすすめです。
書いた文字のインクの濃淡やゆらぎの美しさは、万年筆ならではの特長。
書くこと自体が少し手間に感じるときでも、温かみのある味わい深い文字にきっとその時間を楽しめるようになりますよ。
勉強やビジネス
万年筆は、勉強やビジネスシーンにもおすすめ。
軽い筆圧でサラサラと書けるので、長時間の筆記も疲れにくい。
この万年筆のスルスルと滑るような書き心地に、はまってしまう人も多いんです。
万年筆を使えば、勉強や仕事が今以上にはかどりそうですね。
趣味の時間
自分の時間を楽しむ趣味にも、ぜひ万年筆を使ってみてください。
読書ノートや旅行の記録、スケッチなど、様々な趣味で活躍します。
好きなインクで書かれた文字は、後から読み返す時間も楽しいです。
【万年筆の使い方①】インクの補充方法
ここからは、万年筆の使い方を順を追ってご紹介。
まずは、インクの補充方法をインクの種類別に解説します。
※ただし万年筆はメーカーごとに特徴があるので、それぞれの注意事項をしっかりと確認してください。
お手軽・簡単な【カートリッジ式】基本の使い方
万年筆を初めて使う、お手軽に使いたい、という方に特におすすめなのがカートリッジ式です。
万年筆の胴軸を取り外してカートリッジを差し込むだけと、初めての方でも簡単に装着できますよ。
また、カートリッジ式はインクの補充方法も簡単なので、インクがこぼれるのが心配な方にもおすすめです。
インクの出が悪いときは、万年筆を軽く振ったり、カートリッジの中央部分を軽く押したりしてみてください。
やりすぎるとインク漏れの原因になりますので、注意してくださいね。
- キャップを外し、胴軸を取り外します。
- ペン先のついている方に、カートリッジを装着してカチッと穴が開く感覚があるまで入れてください。
- 万年筆を組み立てペン先を下にし、先端部分までインクがなじんだら補充完了です。
【コンバーター式(両用式)】基本の使い方
コンバーター式(両用式)万年筆は、インクの補充方法が決めきれない方におすすめ。
コンバーターというインク吸入器を用いてインクを補充できるのはもちろん、カートリッジを使用することもできます。
- 回転式
- プッシュ式
- 板バネ式
どのタイプも基本的な使い方は同じで、万年筆にコンバーターをセットし、インクボトルにペン先を入れてインクを吸い上げて補充します。
インクを入れるときのコツ→補充後に数滴たらし戻すことです。
※この工程を忘れると、筆記時にインク漏れすることがあるので注意してください。
インクの補充方法(回転式の使い方)
インクの補充方法(プッシュ式の使い方)
インクの補充方法(板バネ式の使い方)
【吸入式】基本の使い方
吸入式のインク補充方法です。
インクの補充方法(吸入式の使い方)
このとき反対に回してしまうと、故障の原因になるので気を付けましょう。
ペン先をボトルに浸すときには、ペン軸をしっかり入れてください。
ボトルに入っているインクが少ないとボトルの底にペン先が付いてしまうので、注意してください。
吸入式は、「補充されていくインクを見るのが好き」という方も多く、万年筆ファンに根強い人気があります。
また、インクを吸い上げるときにペン先と芯の通りが良くなり、洗浄の手間が省けるというメリットもあるんですよ。
【万年筆の使い方②】持ち方と書き方
続いては、万年筆の持ち方と書き方について解説していきます。
自分好みの線の太さや色を出すためにも、基本の持ち方と書き方を知っておきましょう。
万年筆は斜め45~60度で持つ
万年筆は、ペン先の刻印のある面を表向きにして、斜め45~60度にして持ちましょう。
ペン先の刻印が見えない状態では、インクが出にくくなり文字がかすんでしまいます。
また、筆記時のペン先の角度はあまり難しく考えなくても大丈夫です。
一般的なペンの持ち方であれば、スムーズに筆記できますよ。
万年筆で綺麗な文字を書くコツ
万年筆の書き方のコツは、正しい姿勢とゆったりとした時間です。
メモ書きなどの急な筆記でなければ、正しい姿勢を意識して座り文字を書きましょう。
美しい日本語の書き方は、「とめ」や「はらい」、「はね」などを意識すること。
たとえバランスが悪くなってしまっても、きちんと感のある文字になりますよ。
また、全体の仕上がりをイメージすることも大切です。
書いている文字だけでなく、時折全体を見直しながら書いてみてくださいね。
【万年筆の使い方③】お手入れ方法
万年筆は、インクの出が悪くなったときや色を交換したいときなどにお手入れが必要です。
定期的にメンテナンスして、万年筆を長持ちさせましょう。
カートリッジ式
カートリッジ式の万年筆は、インクの補充方法が簡単だったように、お手入れ方法も難しくありません。
インク詰まりの原因は、乾燥や紙埃の場合がほとんど。
基本的には、水洗いしてあげるだけで綺麗になりますよ。
インク汚れがひどい場合は、こすったり洗剤を使ったりせずに、水やぬるま湯に浸けておきましょう。
アルコールで拭き取るのは、劣化の原因になるのでNGです。
お手入れ方法
吸入式・コンバーター式(両用式)
吸入式・コンバーター式(両用式)のお手入れ方法は、インクを補充する際と同じです。
水やぬるま湯を入れたコップから水を吸い上げ戻すことを繰り返すことで、中を洗浄していきます。
汚れがひどい場合は、ペン先をコップに丸ごとつけておきましょう。
乾燥させた後にも残留水分が見えることがありますが、少量であれば万年筆の性能に問題はありません。
吸入式・コンバーター式(両用式)のお手入れ方法
【万年筆の使い方④】長く愛用するための保管方法
最後にご紹介するのは、万年筆の保管方法です。
長く万年筆を愛用するためにも、正しく保管をしましょう。
キャップの閉め忘れに注意
万年筆の使い方のコツは、キャップをしっかり締めること。
閉め忘れたりゆるんでいたりすると、ペン先のインクが乾燥してしまう恐れがあります。
乾燥することでインクが詰まり、筆記の妨げになってしまうので、気を付けましょう。
ペントレーやペンケースに横向きに保管
万年筆の使い方は、収納時にも気をつけてほしいポイントがあります。
保管時には、ペン立てに入れずにペントレーやペンケースに入れて収納することをおすすめします。
横向きに収納することで、インク漏れや詰まりを防げます。
もしペン立てに入れるときには、ペン先を上向きにしておきましょう。
直射日光は避けて
直射日光や高温な場所は、万年筆にとって大敵。
日光や高温によって、インクが乾燥(ドライアップ)してしまいます。
ドライアップしてしまうとお手入れに時間がかかりますし、万年筆の劣化にも繋がりますよ。
冷暗所に保管するのが、万年筆の使い方のコツ。
長期間使わないときには洗浄して保管
万年筆を長期間使わない場合は、お手入れをしてインクを抜いた状態で保管しておきましょう。
正しい保管方法であっても、期間が経つことでインクが乾燥してしまいます。
綺麗に洗浄し乾燥させてから、収納してくださいね。
まとめ
万年筆は使い続けることが最高のお手入れになります。
万年筆の使い方や書き方、お手入れ方法などについてご紹介しました。
万年筆の保管時には、インクの乾燥を避けることが大切なことも分かりましたね。
インクの流れを止めない、使い続けることが最高のお手入れ。
万年筆を使っている自分がイメージできたら、万年筆デビューの日はすぐそこですよ!
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